難聴を気にせず、音楽を楽しみたいですよね
簡単に持ち運びできるイヤホン。
皆さま、最低一台は持っているのではないでしょうか?
通勤中も通学中も好きな音楽を楽しめるイヤホンの市場規模は堅調に拡大しており、特にワイヤレスイヤホンは、2025 年までに 2.7 倍も拡大すると 報道 されています。
便利になった一方で、実は「イヤホンで音楽を大音量で聞くこと」が、難聴につながることをご存知でしょうか。
今回は、正しい音楽の聞き方について調査しました。
執筆者:青本 りよ
Global Writer
今、難聴者が急増している
NHK の 報道 によると、世界で聴覚障害に苦しむ人は増えており、「世界の 12 歳から 35 歳までの若者のうち、ほぼ半数にあたるおよそ 11 億人が、長時間、大きな音に過剰にさらされ、難聴になるおそれがある」のだとか。
イヤホンで音楽を聞いている時、どれくらいの音量で聞いていますか?
もしかすると、大きすぎて「イヤホン難聴」予備軍になっているかもしれません。
大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音を伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。
長時間音楽を聞くことが増えた現代人にとって、とても身近な病気ですね。
でも、ヘッドホン難聴 だけが大音量で音楽を聞くことで起こりうる病気ではありません。
自覚なく進行する “老人性難聴” のリスク
老人性難聴 とは、加齢によって耳と脳が障害をきたし、会話が聴きとりにくくなっている状態を指します。
長年の習慣や音響による負荷などの影響で、内耳に障害が起きてしまい、引き起こされるものだそう。
まだ若いから大丈夫だ、と考えがちな方!
若い頃に音楽を大音量で聞いていたせいで耳がストレスを受け、老人性難聴が進行するというケースも充分考えられます。
聴力は 20代をピークに、加齢によって徐々に 低下 していくそうです。
耳を守るためには、大音量で音楽を聞き続けることを避ける必要があります。
イヤホン難聴を防ぐ対策
イヤホン難聴にならないようにするためには、どうすればいいのでしょうか?
厚生労働省 生活習慣病予防のための 健康情報サイト eヘルスネット によると、WHO は、イヤホンなどで音楽を聞く時、以下のアクションを推奨しているそうです。
- 音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりする
- 使用を 1 日 1 時間未満に制限する
- 周囲の騒音を低減する「ノイズキャンセリング機能」のついたヘッドホン・イヤホンを選ぶ(騒音が消えることで音量が下がるため)
上記の方法であれば、簡単・意識的に取り組めそうですね。
では、直接鼓膜を使って聞かない、”骨伝導イヤホン” は難聴の予防策として有効なのでしょうか?
骨伝導スピーカーは効果があるの?!
骨伝導とは、鼓膜を通さずに、近辺の骨を振動させて音を聞く仕組みを指します。
そのため、一見すると耳への影響は低そうですが…?
Urban Life Metro によると、骨伝導イヤホンを使用した場合も、内耳の蝸牛に振動が伝わるため、”難聴リスクを減らせる” という医学的エビデンスは見つかっていないそうです。
ですが、骨伝導イヤホンであれば、周囲の環境が煩くても、スピーカーの音量を上げすぎずに済むそう。
ノイズキャンセリング機能のついたイヤホン同様に、大音量で聞きすぎないことに繋がるため、使用方法に気をつければ、結果的に “耳に優しいイヤホン” と言えるのではないでしょうか。
著者の想い
スマートフォン同様に、生活必需品ともなっているイヤホン。
ですが、大音量で聞くと、耳に相当なダメージが残ることが分かりました。
音質・デザインも気になるところではありますが、一生、健康で暮らす(聴力を保つ)ためにも、イヤホンを長時間連続で使用しないこと、または、耳に負担の少ないイヤホンを選ぶことが大切です。
是非、出来る対策から始めてみてください。
出所
BCN+R, "ワイヤレスイヤホン世界市場25年までに2.7倍に拡大、富士キメラ総研”, 2020
NHK, “"スマホ難聴"どう防ぐ?”, 2019
eヘルスネット, “ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について”, 2019
Urban Life Metro, "鼓膜でなく「骨」を通して音を聞く「骨伝導イヤホン」 音楽鑑賞のメリットデメリット” 2019
一般社団法人加古川医師会,"老人性難聴”, 2009
医師会病院,"老人性難聴について”, 2020
この記事の執筆者
青本 りよ
Global Writer
日系通信社米国支局で4年間に渡って米国経済を取材、記事の執筆や翻訳を行う。
米国経済の最新論文・記事をもとに、グローバルな視点から日本の難聴問題、補聴器/集音器の “いま” をお届けします。
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