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APD(聴覚情報処理障害)| 当事者の声と専門家の見解

更新日:

APDの当事者が語る苦悩

聞こえるけど聞き取れず… 当事者が語る苦悩

 

この記事は ABEMA NEWS(聞こえるけど聞き取れず… 当事者が語る苦悩)の内容をもとにしています。

APD(聴覚情報処理障害)のことを知らない方々にも、その問題と課題が伝わる素晴らしい番組でした。

弊社にお寄せいただくご意見とも重なる点が多く、より多くの方々に知ってもらいたいと感じ、上記番組の内容を抜粋して、APD 当事者の声と専門家の見解をご紹介します。

解決策(海外の最新事例)をお探しの方は、こちら の記事をご覧ください。

Customer Support

執筆者:香本 剛志

freecle Inc. / Customer Support


APD(聴覚情報処理障害)とは

上記番組内で、聴力検査は “正常” で音や声は聞こえるが、言葉として聞き取ることが困難な症状として紹介されていました。

Youtuber の 笑歩 さんによると、特に居酒屋のような騒がしい場所や BGM が流れるカフェで、声が混ざって対話相手の声が聞き取れなくなることがあるそうです。

特に名詞が聞き取りにくく、番組内では “携帯の電波が悪い時と同じ感覚” に近いとの表現が使われていました。

  • 実際の会話:今は ◯◯◯◯ の時期だから来ている △△△△ が多いよね
  • APD の方が聞き取れている内容:今は・・・の時期だから来ている・・・が多いよね(・・・ の名詞部分が聞き取れないため内容を理解し難い)

    コメンテーターとして参加されていた小藪 千豊さんも「勉強不足で知らなかった」と発言していらっしゃいましたが、私も、APD について知っている友人が周りにいませんでした。同じような方も多いのではないでしょうか? 

    APD を知ったきっかけと当事者の苦悩

    笑歩さんの場合、高校生の頃に「適当なところで相槌しているよね」「人の話を聞いてないよね」と指摘され、自身の異変に気づいたそうです。

    その後、10軒以上の病院で聴力は正常と診断されたものの、ネットで APD を知り、ようやく APD と診断結果を受けたのは 22歳の時だったそうです。

    弊社にお問い合わせいただく方々も、APD と診断されている方はごく一部で、多くの方が笑歩さんと同じ境遇です。

    番組内では、やっとの思いで APD と診断された後に、
    会社から「自分で対策を取って欲しい」「何かあっても責任は取ることが難しい」と指摘され、結局、仕事を続けることを断念した方の声も紹介されていました。

    APD と向き合い続けてきた私たちにとって、この報道はとてもリアリティがあり、知っているからこそ胸に刺さる内容でした。


     ■ APD 当事者の声(APD 当事者会 APS から引用)

    • 何度も聞き返したらあきれられた
    • 横から話しかけられ気付かなかった際、無視していると思われた
    • 症状を告白したら「嘘ついているんじゃないの?」と言われショックだった
    • 医師から「気にし過ぎ」「気のせいだ」「精神科で診てもらった方がいい」と言われた

    なぜ APD になるの?

    APD 専門家の 阪本 浩一 先生(大阪市立大学大学院 耳鼻咽喉病態学 准教授)は、APD の背景要因について、以下のようにコメントしていました。

    「一番シンプルで典型的なのは、脳の何らかの損傷・外相ですが、(実際には)そういう要因は非常に少ない。私たちが APD と呼んでいるのは、脳の損傷は何もなく、発達に 凹凸(苦手分野)を持っている方、例えばワーキングメモリーの短期的・長期的な記憶が苦手であったり、言語的な能力がちょっと苦手であったり、いろいろな苦手を持っていて発達障害とは診断はされないけれども、発達の 凹凸 はもっていて、聞き取りという形で表に出ている方。そういう方々がとても困っていて、ボリューム的にも多いものの、どこにいっても診断されず、困っている方が多いので、きちんとした診断名として APD と付けていく必要がある。そのための基準を作りたいと思って動いている。」


     ■ APD の背景要因

    • 事故や病気による脳損傷(割合:少ない)
    • 発達の “凹凸[おうとつ=苦手]”(割合:多い)
    • 心理的な問題 など

    APD と発達障害は関係があるの?

    阪本先生は、発達障害との関係性について、番組内で以下のようにコメントしていました。

    「音を聞き取るということは、耳で入ってきた音を、そのまま脳で意味を理解して聞き取ること。聞くとは、脳で聞くということです。それが言葉なのか、音楽なのか。その脳の働きに大きな問題があると、そういうこと(APD)が起こるわけです。そういう意味では、発達障害の症状で聞き取りの困難をもつ症状はたくさんあります。ただし、聞き取りだけに問題があると、発達障害の典型例とは言えず、発達障害の診断に行っても、”グレーだよ。ちょっと傾向あるけど大丈夫だよ。” と言われてしまう方が多いのです。」

    APD と難聴は関係があるの?

    また、阪本先生は、APD と難聴との関係性について以下のようにコメントしていました。

    「難聴を聞えにくいと言ってしまうと、同じなんですけど、一般的に難聴というのは、我々がよく使う耳(外耳・中耳・内耳)の付近で何らかの原因を起こしているものを難聴と言う。一方で APD というのは聴覚器には異常がなく、所謂、中枢(脳)に問題がある、ということで聞き取りにくさを起こしているので、一般的な意味では難聴ではないですけれども、聞こえにくさをもっている方は、聞こえにくいという症状をもっている。聞こえているけれども、聞き分けられない、それ以外にも、注意を分配するとか、語彙が聞き取れないなど、原因は複合的でいろいろなところにあります。」


     ■ APD 場面や話し方での困りごと

    • 先生の声が聞き取れず黒板や教科書で判断
    • 歌は歌詞カードを照らし合わせないと分からない
    • 電話・マスクなど口元が見えない会話が分からない
    • 内緒話や早口の言葉も聞き取れない
    • 横や後ろから話しかけられても気付かない

    APD の患者は増えているの?

    番組内では、最近 APD を疑う初診の外来患者が急増中との報道もありました。

    阪本先生によると、「気づいていなかった方が、例えばテレビやメディアを通じて自分もそうかもしれないと気づいて病院に来ています。特に若い方、10代〜20代前半の方が非常に多く、私のところ(大阪市立大学大学院)では女性が少し多いです。それぐらいの若い方は、就職とかを機に(APD と)気づく人が多いです。」


     ■ APD を疑う初診の外来患者が急増中

    • 大阪市立大学医学部附属病院
    • 新規患者数が8月は28人(前年同月比 4.7倍)
    • 特に10代や20代の若者が目立つ
    • 背景に… メディアや SNS を通して認知が広まったり、コロナ禍でマスクやビニールシートで声が聞き取れないことに気付く人が増えたとみられている

    周りの人はどうサポートできるの?

    周囲のちょっとした配慮が支えになる例として、下記が挙げられていました。


     ■ APD の方のサポート方法

    • 雑音があまりない静かな場所へ移動し話す
    • 話しかける際に名前を呼んだり肩をたたくなどし、相手と向き合い「あなたに話す」ということを明確化
    • ゆっくり大きな声で簡潔に
    • 話の要点を文字にする(スマホを出して文字にする) など

    人の声だけ強調する補聴器はないの?

    弊社の商品("αble-aid")の紹介はありませんでしたが、番組内では「聞こえ」の環境を改善してくれる最新機器としてフォナック社の「ロジャー フォーカスⅡ / ロジャーセレクト」が紹介されました。

    話し手の声をワイヤレスマイク(送信機:ロジャーセレクト)がひろい、指向性・自動音量調節・デジタル騒音抑制技術を用いて、聞き取り手の補聴器(受信機:ロジャー フォーカスⅡ )に会話を届ける商品だそうです。価格は送信機が14万800円(税込)、受信機が8万3,600円(税込)。

    阪本先生は「マイクを置ける環境にある方は使えるかもしれないが、日常的に使うのはなかなかハードルが高いのではないか。授業形式の学生さんは使い易いと思う。それと、ちょっと高価だと思います。」とコメントしていました。

    続けて、阪本先生は「最初は環境調整(周りの理解を求めること)が大切。話し掛ける時に、合図を掛けてから話し掛けてもらうなど。補聴器や最新機器を誰でも使えるわけではないので、環境を整えてもらえるように理解してもらうことが、一番重要だと思う。一部の人は、訓練で少し良くなる場合もあると考えてはいるが、まだエビデンスはあまりない。」とコメントしていました。

    番組内では、この他に議事録ツールや APD 当事者のソリューション評価も紹介されていました。
    ご興味がある方は、是非、番組をご視聴ください。(番組の宣伝ではございません!汗)

    まとめ(著者の想い)

    以前、執筆した記事(お耳のふあん)で APD について取り上げたところ、想定以上の反響をいただきました。

    APD (聴覚情報処理障害)の症状とリスクは、まだまだ認知されていません。会話が聞きとれないとストレス・不安・孤独感などが増え、仕事や私生活へ悪影響を及ぼす恐れがあります。

    今回の記事は独自調査にもとづくものではないものの、専門家(大阪市立大学大学院 耳鼻咽喉病態学 准教授)の貴重な見解を共有したいと思い、執筆しました。

    病院で APD とは診断されずに悩んでいる方、APD のご家族をお持ちの方、少しでも多くの方にこの記事が広まれば幸いです。

    ※ 追記:"αble-aid" は、全ての APD の方に効果があるわけではありません。そうなれば良いと思っていますが、複合的な APD の課題を解決できない場合もございます。アクティブノイズキャンセリングやデジタル耳栓に不満をお持ちの方々には、ノイズ(対面する人の声以外)を消すという意味合いで、一定の評価をいただいています。ご興味のある方は、是非、お問い合わせください。


    この記事の執筆者

    Customer Support

    香本 剛志

    freecle Inc. / Customer Support

    "αble" シリーズ” のカスタマーサポートを担当
    『お客様に一番近い存在であり続けたい』をモットーに、
    定期的に試聴会・展示会を企画しています。

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