新型コロナウイルスが難聴の原因になるの？

更新日： 2022年4月8日

新型コロナウイルス感染症、どんな病気なのか徐々に明らかに。

2020年7月末から「Go To トラベルキャンペーン」が日本全土（東京を除く）で始まり、一時に比べると、若干落ち着いたかにみえる新型コロナウイルス感染症。

ですが、感染状況は未だ予断を許しません。

そのような状況下で、最近、”新型コロナ” と ”耳” に関する、驚くべき情報が飛び込んできました。

世界五大医学雑誌の一つとも言われる、米国医師会が発行する医学雑誌：JAMA（ The Journal of the American Medical Association ）が、耳から新型コロナウイルスが検出されたことを発表しました。

ウイルスが耳から見つかるということは、耳からも感染するということなのでしょうか？！

新型コロナウイルス感染症は、未だ不確かな情報の多い病気ですが、感染後の様々な後遺症が報告されています。耳や聴力に影響ある病気なのか、探ってみました。

執筆者：青本りよ

Global Writer

耳から新型コロナウイルスに感染するの？

耳から新型コロナウイルスに感染するかもしれない。そう聞くと、怖いですね。

確かに、耳は喉と繋がっていますし、耳鼻咽喉科といいますから、何かしら関連があってもおかしくない気はします。

医学雑誌：JAMA によると、米国ジョンズホプキンス大学の医学部耳鼻咽喉科は、研究の一貫で新型コロナウイルスの影響で亡くなった方の遺体を解剖したことを発表。

驚くべきことに、3体の中耳・乳様突起（耳の後ろの突出した骨）から新型コロナウイルスを検出したそうです。

現時点で、耳鼻科で処置を行う医療従事者が、患者の耳に付着したウイルス経由で感染した事例は確認されていないそうですが、乳様突起の切除手術を行う際、医療従事者が患者の新型コロナウイルスに晒され、感染するリスクがあるそうです。

新型コロナ感染症が、耳から感染する病気というよりは、”医療従事者が手術などを通じて、既に感染していた方の耳に触れた際に、感染して病気になる” 可能性がある話、ということのようですね。

熱が続いたり、咳、体の怠さがあったり・・・

一見すると普段かかる風邪と区別がつきにくい新型コロナウイルスは、微熱や倦怠感、呼吸困難などの後遺症も報告されています。

耳や聴覚に関しても、何らか後遺症がみられるのでしょうか？

イギリスのマンチェスター大学が英国立健康研究所（NIHR）と協力し、コロナウイルスと聴力の関係を調査。2020年7月にその結果を発表しました。

新型コロナウイルスで入院した患者 120人に電話インタビューしたところ、13% が耳の聞こえが悪くなったと回答し、8人が耳鳴りに苦しんでいると答えたそうです。

実際に調査に関わったマンチェスター大学聴覚学のケヴィン・ムンロー教授は、「風疹などのウイルス性の病気が難聴の原因につながるように、新型コロナウイルスも聴力に関わる神経を傷つける可能性がある。」と言及しています。

一方で、ムンロー教授は、新型コロナウイルス以外の要因（ストレスや不安、マスクの着用など）も聴力に影響を及ぼしている可能性があることを付け加えています。

「見えない感染症」とも呼ばれる新型コロナウイルス感染症が、日本で本格的に流行し始めてから、早 7カ月が経過しました。

3密を避ける！マスクを着けて行動する！といった「新しい生活様式」に慣れてきた方も多いのではないでしょうか。

アメリカでは、2020年11月から新型コロナワクチンの提供開始を目指していることが NewYork Times などでも報じられていますが、その安全性が十分に検証されているのかどうか、不安の声も多く存在します。

謎の多いこの病気から、自分の耳や体を守りつつ、情報をしっかり精査して判断していきたいですね。

出所

青本りよ

Global Writer

日系通信社米国支局で4年間に渡って米国経済を取材、記事の執筆や翻訳を行う。
米国経済の最新論文・記事をもとに、グローバルな視点から日本の難聴問題、補聴器／集音器の “いま” をお届けします。

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